折り紙一枚で証明する三角関数の加法定理

折り紙で理解する三角関数の加法定理のアイキャッチ

高校生の方たちがががんばって覚える公式の1つである加法定理.

 \sin(\alpha + \beta) = \sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta

 \cos (\alpha + \beta) = \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \sin \beta

こんなやつですね.

某先生がこんな教え方をしているのを見たことがあります.

先生のイラスト

sinの加法定理は,咲いたコスモスコスモス咲いた

cosの加法定理は,コスモスコスモス咲いた咲いた

…絶対わすれるでしょ.

三角関数の加法定理は,文系でも理系でも,誰しもが高校で習うんですが,意外と図形的な意味を理解してる人って少ないんです.

ということで,今回はこの,加法定理を折り紙を使って理解してみましょう.

折り紙を使った証明

例えば,下にこんな折り紙があると考えます.

折り紙を置いた図

これを,真ん中あたりで折ってみましょう.

折り紙を折る線の場所を明示

すると,以下のようになりますね.

折り紙を実際に折ってみた図

ここではわかりやすいように,表と裏が違う色の折り紙を使っています.

折り目の長さが1だったとして考えてみましょう.

折り紙の折り目の長さが1であることを明示した図

この青い部分の三角形だけ抜き出して考えてみましょう.

以下の図のように,折った角度が角 \alphaだとすると,青い三角形の各辺の長さは以下のようになりますね.

青い三角形を取り出して長さを書き出す

今は,青い部分の三角形だけを抜き出したので,元の場所に戻してあげます.

青い三角形を元の場所に戻す

以下の図に示す場所を角 \betaとします.

角度ベータを定義する

小学校で,「三角形の3つの角の和は180°」と習ったと思います.

つまり,それを使うと,以下の図の緑色で示したところは, 180-90-\beta度ということになります.

緑の部分の角度を求める

では,以下の黄色で示した部分の角度はいくつでしょうか.

黄色の部分がどこかを明示した図

小学生でもできる計算ですが,「180度から,緑の角度と90度を引いたものですね.

黄色の部分の角度を求めてみる

緑の部分は, 180-90-\beta度だったので,黄色の部分の角度は, 180-90-(180-90-\beta) = \betaとなります.

つまり,当たり前ですが,黄色の部分の角度は \betaとなります.

よって,角度を図示すると,以下のようになります.

ここまで見てきた角度を図示

では,次に左上の三角形を抜き出して,各辺の長さを考えてあげましょう.

左上の三角形だけをわかりやすいように取り出す

この三角形,斜辺の長さが cos\alphaなので,各辺の長さは以下のようになります.

左上の三角形の辺の長さを図示

右の三角形も,同様に斜辺の長さが sin\alphaなので,各辺の長さは以下のようになります.

右側の三角形も同様に各辺の長さを図示

これで,ようやく必要な長さがすべて揃いました.

実際に加法定理を求めていく

今回求めた長さをすべて書き込んでみると,以下のようになります.

ここまで求めた各辺の長さを一括で図示

この図で, sin(\alpha+\beta)はどこかを図示してみましょう.

加法定理につなげるため,sin(α+β)の位置を図示

すると, sin(\alpha+\beta)は,  \sin \alpha \cos \beta\cos \alpha \sin \betaの和であることがわかります.

では,cosの加法定理を示してみましょう.

sinのときと同様にして, cos(\alpha+\beta)の場所を図示してみます.

cosのときも同様に三角関数を導出

すると, cos(\alpha+\beta)は, \cos \alpha \cos \beta \sin \alpha \sin \betaの差であることがわかります.

よって,めでたくこの2つを示すことが出来ました.

 \sin(\alpha + \beta) = \sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta

 \cos (\alpha + \beta) = \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \sin \beta

もちろん,このくらいは覚えておくことが望ましいですが,ふとした瞬間に「あれ?符号なんだっけ?」とか,「どっちがsinでどっちがcosだっけ?」とかなってしまうわけです.

簡単な図ですし,一回納得しておけば試験前の安心感も全く変わってくるものです.

© 2016 Yuki Sako.